第1章 驍将ウルリヒの仕官 
1229年・新春
 
シナリオ3「群狼たちの咆哮」でゲーム開始。この時点での状況を整理しておく。
  担当国 イギリス(プランタジネット朝)
  保有都市 ロンドン(文化レベルは牧畜・57が目立つ程度 長弓兵が徴兵可能)
  国王 ヘンリー3世
  親族 コーンウォール伯(ヘンリー3世の弟)
  配下 ロングスウォード ベーコン グローステスト
   
 最強国はモンゴル帝国。開祖・チンギスハーンが没しているとは言え彼の一族は名将揃い。西方方面司令官のバトゥ、東方のトゥルイとその息子たちは世界屈指の名将たち。配下にも武のスブタイウリャンハタイ父子、智の耶律楚材ヤラワチと全く隙がない。
 これに対抗しうるのが欧州でケルンジェノヴァパレルモの3都市を治める神聖ロー帝国(ホーエンシュタウフェン朝)。こちらも、率いるのは英主・フリードリヒ2世
ヘンリー3世 要するに何だ、我々イギリスはお呼びでないと
コーンウォール伯 いじけてる場合ですか、兄者。対岸のフランスにはあの「聖王」ルイ9世がおるのですよ!
ヘンリー3世 ルイ殿は温厚な方で血縁故、先方から仕掛けてくることはないと思うが・・・
とにかく内政の手配をせよ! モンゴル帝国が襲来する前に富国強兵に励むのじゃ!
グローステスト しかし陛下、闇雲に施設を建設するのは資金不足を招く元ですぞ。
ヘンリー3世 されば、如何すればよろしいのでしょうか、先生。
グローステスト 我らがロンドンは総じて文化レベルが低く、建設できない施設がございますが・・・
とにかく、牧場を建設して牧畜レベルを上げて食料を確保するのが上策かと。あと、ロングスウォード卿を
のぞくと戦巧者がおりません。武器工房を大量に建設し戦闘部隊の攻撃力を少しでも補うことが急務かと
存じます。また、から得られる金銭収入も軽視できません。早急に整備されるのが宜しいかと。
人材も不足してございます。文化レベルが高くないので名将が得られるとは思えませんが、人手不足を
解消するためには毎ターン「登用」を行うしかござらんでしょうな。
ヘンリー3世 よし、各員労働ユニットとなって内政の準備にかかれ
牧畜レベル・武器レベルを上げて「牧童の都」「武具の都」を目指すこととする!
コーンウォール伯、そちはロンドンにとどまって「登用」を行え (・・・その「政治」では成功せんだろうが)
コーンウォール伯 で、そう仰る兄者は一体何をなさるので?
ヘンリー3世 決まっておろうが、王者の務め「宴」に従事するのよ。(なぜだかすごく偉そう)
コーンウォール伯 (・・・このスケベ野郎が)
1229年・春
 
 グローテストとベーコンが施設建設、ロングスウォードがロンドンの増築にあたる。資金不足のため「宴」を自粛したヘンリー3世・コーンウォール伯はシモンの「登用」に成功する。彼はシモン=ド=モンフォール。後にヘンリー3世の「大憲章」(マグナカルタ)違反から叛乱、モンフォール議会(イギリス議会の起源とされる)を開いたフランス生まれの貴族である。・・・大学入試の世界史では頻出人物(^_^;)
ヘンリー3世 きぃぃぃ 将来の我が宿敵が! こいつを登用せねばならんのか?
コーンウォール伯 この状況では贅沢は言えんでしょう、兄者。
ヘンリー3世 そう言えば、確かそちも史実では余と対立することになっておるが・・・ (もしや)
コーンウォール伯 兄者ぁ、ゲームの世界に現実を持ち込むなよ(嘆息)
1229年・夏
 
 「宴」でエリーナ妃懐妊。しかし、慶事はそれだけに止まらなかった。何と、驍将・ウルリヒが神聖ローマ帝国に登用されずにロンドンくんだりまで流れ着いてきたのである。これをコーンウォール伯が登用した。
ヘンリー3世 エリーナの懐妊もめでたいが・・・ よくぞウルリヒを登用した。でかしたぞ、コーンウォール伯!
コーンウォール伯 (・・・我が兄とは言え単純な性格)
ウルリヒ 初めて御意を得ます、ウルリヒにございます。
ヘンリー3世 ・・・惚れ惚れするほどの男ぶりよなぁ〜、余に娘が居らぬのが残念(「婿将軍」にすると動員兵力が上がる)でならぬが・・・ これより軍の指揮は卿に委ねる。見事、任を果たして見せよ。
1229年・秋〜1232年・盛夏
 
 吟遊詩人の訪問イベント発生。新たな妃「イザベル」を紹介される。直後の「宴」でイザベルが懐妊。内政も着々と効果を上げており、まさに順風満帆である。その後も「宴」を開くたびに妃が懐妊し、何と命中率100%! 医術レベルが低い都市は懐妊率が低いため、これはある意味偉業と言えよう。
しかし、待望の(?)姫は誕生せず全て王子。それぞれ「ノーフォーク伯」「ケント伯」「ノッチンガム伯」「カーライル伯」と命名。以後、誕生する王子には全て爵位でもって命名することとする。
ヘンリー3世 ふふふ・・・ 懐妊率100% 我が実力畏れ入ったか!
コーンウォール伯 ええ、まあ。(・・・他に能がないのかよ、このバカ兄貴は)
グローステスト これも若さですかなぁ〜
ヘンリー3世 「認めたくないものだな、自分自身の、若さ故の過ちというものは・・・」(決まった!)
ウルリヒ 陛下、お取り込み中失礼致す。
物見の報告によれば、フランス王国軍の大部隊がドーヴァー海峡を次々に渡ってきているとのことです。それがしとロングスウォード卿で迎撃する所存です。内政中の労働ユニットは万一に備えてフランスとの国境付近から引き上げを。
ヘンリー3世 何、あの温厚なルイ殿が? 何かの間違いであろう?
ロングスウォード 俺としても複雑な気分ですけどね、コイツは売られた喧嘩。買わない訳には行きますまい。
 史実において、ルイ9世が主導する第六回十字軍に従軍したロングスウォード。ルイ9世に反乱者との調停を努めて貰ったヘンリー3世はこの報を信じがたい思いで聞いたが、降りかかる火の粉は払う以外に術はない。内政と「宴」に現を抜かしていたイギリス軍に勝機はあるのか? 
次回「第2章 ドーヴァー海峡、血に染めて」に続く

登場武将紹介
◆ヘンリー3世
戦闘53 知謀46 政治43 戦闘特技なし 内政特技「登用」 
 兵科適性 歩兵C 弓兵C 騎馬C 水軍E
 無能で名高い「欠地王」ジョンの子。自身も「大憲章」を無視したためにシモン=ド=モンフォールら諸侯の反乱を招く。仏王・ルイ9世の調停や息子エドワード(後のエドワード1世)がシモンを敗死させるなどしたために窮地を脱したが、晩年は実権を息子に譲って隠棲した。ゲームでも史実を反映してきびしい能力値評価。ただ、ゲームでは特技「登用」を持つため、国王としてはそこそこ働ける。
◆コーンウォール伯
戦闘52 知謀16 政治35 戦闘特技なし 内政特技「外交」 
 兵科適性 歩兵C 弓兵C 騎馬C 水軍E
 リチャード=プランタジネット。豊かなコーンウォール伯領を領し、大陸諸侯とも交遊を重ね後には神聖ローマ皇帝にまでなっているが、もちろん実権はなし。またシモン=ド=モンフォールらに荷担して兄と対峙したこともある。兄以上の無能者で、「いないよりはマシ」程度。
◆ロングスウォード
戦闘70 知謀54 政治52 戦闘特技「突撃」「城攻」「伏兵」 内政特技なし
 兵科適性 歩兵B 弓兵C 騎馬A 水軍D
 第6回十字軍のマンスーラの戦いで手足を失いながらも勇戦したイングランドの猛将。ゲームでも高い戦闘能力とそこそこの政治・知謀を備えるシナリオ3のイギリス軍のエース的存在。今回のリプレイではウルリヒの影に隠れてしまいがちなのが不幸か?
◆グローステスト
戦闘27 知謀58 政66 戦闘特技なし 内政特技「農業」「商業」「建設」「文化
 兵科適性 歩兵D 弓兵C 騎馬D 水軍E
 イギリスの神学者で、オックスフォード大学の教授。ゲームでは施設建設に関わる全内政特技を習得している優秀な内政官僚。政治のスペック以上の働きをしてくれる非常に頼もしい武将。
◆ベーコン
戦闘21 知謀57 政65 戦闘特技なし 内政特技「商業」「建設」「文化
 兵科適性 歩兵D 弓兵E 騎馬E 水軍E
 イギリスのスコラ哲学者。自然科学に通じ、拡大鏡や火薬を発明した。ゲームでは頼れる内政官僚その2。スペック的にはグローステストにやや劣るものの、シナリオ開始時の年齢はまだ16歳。長く活躍することが期待できる。
◆ウルリヒ
戦闘91 知謀65 政治52 戦闘特技「機動」「突撃」「伏兵」 内政特技「文化」「外交
 兵科適性 歩兵S 弓兵B 騎馬S 水軍E
 ドイツ出身のミンネンジンガー(吟遊詩人)。戦士としても非凡な才能を有し、生涯を通じて槍試合では無敗を誇ったという。ゲームでは世界屈指の戦闘スペックと高い兵科適性と強力な戦闘特技をもつ西欧の最強の武将。如何に強かったとは言え、一戦士でしかない訳で、やや過大評価の感を受ける。神聖ローマ帝国に登用されることが多いが、神聖ローマ帝国に登用されても初期段階では忠誠は50程度。シナリオ3の西欧国でプレイするなら、間諜ユニットを複数派遣してでも味方にしたい。

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